解剖学的条件PCI適応CABG適応 1枝/2枝病変 LAD近位部病変なしⅠA Ⅱb C LAD近位部(入口部を除く)病変ありⅠC Ⅰ A LAD入口部病変ありⅡb C 3枝病変LAD近位部病変なしⅡb B LAD近位部病変ありⅢ B 非保護左主幹部病変 入口部,体部の単独病変あるいは+ 1枝病変Ⅱb C 分岐部病変の単独病変あるいは+1枝病変Ⅲ C/Ⅱb C※ 多枝病変Ⅲ C
Ⅲ 安定冠動脈疾患に対する冠血行再建術(PCI/CABG)の適応
表 PCI,CABG適応
※Ⅱbは回旋枝入口部に病変なくかつ心臓外科医を含むハートチームが承認した症例
(1) 安定冠動脈疾患に対しては,まず生活習慣の管理と薬物療法が必須であり,症状や予後改善効果があると考えられる病変に対しては冠血行再建術を施行す る. (2) LAD近位部病変を含まない1 枝あるいは2枝病変はPCI の適応である.LAD近位部病変を含む1枝あるいは2枝病変についてはPCI/CABGともに考慮する. ただしLAD入口部病変ではCABGを考慮する. (3)3枝疾患は原則としてCABGの適応である. ただしCABGのリスクが高い場合や,LAD近位部病変を含まないなどPCI が安全に施行されると判断される場合はPCI も選択可能である. (4) 非保護左主幹部病変は原則としてCABGの適応である. ただしCABGのリスクが高いと判断される場合や,LMT入口部,体部などPCI が安全に施行できると判断される場合はPCI も選択可能である.その場合でも緊急 CABGが迅速に行える体制が必須である. 以上の適応はあくまで基本原則であり,個々の患者の治療方針は,その臨床的背景や解剖学的条件,各施設の成績や体制,長期的課題などすべてを勘案し,特に重症冠動脈疾患では内科医と外科医が共同で討議して,患者に提案する. 可及的早期にPCI/CABGのレジストリーを構築し我が国の臨床エビデンスに基づいたガイドラインの改訂に備える.
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Ⅲ 安定冠動脈疾患に対する冠血行再建術(PCI/CABG)の適応
虚血性心疾患に対するバイパスグラフトと手術術式の選択ガイドライン (2011年改訂版) Guidelines for the Clinical Application of Bypass Grafts and the Surgical Techniques( JCS 2011)