2 右冠状動脈(RCA)
■ すべての冠状動脈のうち,右冠状動脈(#1-3)は最も遠隔期グラフト開存率の低い冠動脈である.右冠状動脈にたいする吻合は中枢(#1-3)に行うより末梢(#4)
に行った方が高い遠隔開存率を期待できる 【ClassⅡ a,evidence level B】.
■ 右冠状動脈に対するバイパスの遠隔成績で,胃大網動脈の大伏在静脈に対する優位性は明らかでない 【Class Ⅱb,evidence level B】.
RCA(#1-3)は最も遠隔期グラフト開存率の低い冠状動脈枝であるが,RCA末梢(#4)が細く中枢(#1-3)でしか吻合できないような特殊例を除いて,RCA末梢(#4)に吻合した方が高い遠隔開存率を期待できる73),195).
両側内胸動脈でLAD,Cxを再建した際に,RCAの再建を,SVGで行った群とGEAで行った群の比較では,1年,4年生存率は,SVG群92.8 %,91.7 %,GEA群
94.7%,88%であり両群間に有意差を認めなかった.RCAの再建に関してはSVGに比べてのGEAの優位性は認められなかった138).
虚血性心疾患に対するバイパスグラフトと手術術式の選択ガイドライン
(2011年改訂版)
Guidelines for the Clinical Application of Bypass Grafts and the Surgical Techniques( JCS 2011)