7 Porcelain aorta
■ 人工心肺非使用心拍動下手術にて,上行大動脈へ近位側吻合を用いない方法 【ClassⅡ a,evidence level B】.
■ 上行大動脈への操作を回避した上での人工心肺使用心拍動下手術 【ClassⅡ a,evidence level C】.
■ 上行大動脈への近位側吻合における自動吻合器の使用 【ClassⅡb,evidence level C】.
■ 通常の上行大動脈への操作を伴う方法 【ClassⅢ,evidence level B】.
上行大動脈の著しい硬化石灰化を伴う患者では,上行大動脈への操作により,塞栓を誘発する可能性が高く,上行大動脈を触らないかその操作を最小限に止めることが肝要である.すなわち,OPCABを採用しかつ上行大動脈への近位側吻合を回避するか,もしくは体外循環を使用しても,送血部位の選択,大動脈遮断の回避および近位側吻合の工夫による上行大動脈への操作を極力回避することが,末梢塞栓等の合併症を最小にできる496),497).
ただし,著しい硬化石灰化を来たした上行大動脈を有する患者に対する手術成績に関しては,少数例での検討しかなく,一定の見解はないと言ってよい.
虚血性心疾患に対するバイパスグラフトと手術術式の選択ガイドライン
(2011年改訂版)
Guidelines for the Clinical Application of Bypass Grafts and the Surgical Techniques( JCS 2011)