2 虚血性心疾患を伴う腹部大動脈瘤
末梢血管手術(腹部大動脈瘤,頚動脈疾患,下肢閉塞性動脈硬化症等)前の冠状動脈病変評価において34%が冠状動脈疾患を合併し,25%の症例が冠状動脈血行再建術(CABGまたはPTCA)を要したと報告されている557).
また冠状動脈疾患と腹部大動脈が共存した場合,特に両者による症状が存在した場合,同時手術を行うか,二期的に行うかまだ結論が出ていない.OPCABの普及に伴い,同時手術も妥当な結果が得られている558).しかし主たる現状の方針は主な訴えのある疾患に対して最初に手術を行うことが主流であろう559).また腹部大動脈瘤の大きさも考慮すべきである.
虚血性心疾患に対するバイパスグラフトと手術術式の選択ガイドライン
(2011年改訂版)
Guidelines for the Clinical Application of Bypass Grafts and the Surgical Techniques( JCS 2011)