2 動脈グラフト
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 内胸動脈グラフトは術後10年の開存率が95%と極めて良好であるが,まれに狭窄を認める.再CABGは初回CABGに比べて死亡率,合併症の発生率が高く,薬
剤抵抗性の症例に対してはPCI が試みられることが多い.内胸動脈グラフト病変に対するバルーンによる冠動脈形成術は初期成功率が75~ 90%と高く,遠隔期の
再狭窄率は7~ 14%と低い266)-269).合併症として末梢栓塞はみられないが,内胸動脈解離を来たす危険性がある.内胸動脈グラフトに対するステント治療の初期成功率は高いが,遠隔期では再狭窄率がバルーンによる冠動脈形成術より高い269).血管内エコーガイドのカッティングバルーンによる冠動脈形成術が有効とする報告もされている.
虚血性心疾患に対するバイパスグラフトと手術術式の選択ガイドライン
(2011年改訂版)

Guidelines for the Clinical Application of Bypass Grafts and the Surgical Techniques( JCS 2011)