2 グラフト吻合に対する手術支援ロボットの導入
心停止下あるいは心拍動下でのマスター・スレイブ方式の手術用ロボットを用いた吻合操作が報告されている.
ロボット支援下冠動脈バイパス手術は上記の術式の組み合わせであり,これらの術式は以下の2 段階に分類される.
(1) マスター・スレイブ方式の手術用ロボットを用い内胸動脈を採取した後,小開胸創から心拍動下に用手的吻合をする.
(2) 完全内視鏡下にマスター・スレイブ方式の手術用ロボットを用い,内胸動脈の採取と吻合を行う.
現在,ロボット支援下冠状動脈バイパス手術,特に吻合を容易にすべくスタビライザーを始めとして吻合器具などが開発されている.またその適応に関しては,1枝,
多枝あるいは心停止下,心拍動下を含め,いまだ定まるところではなく,今後の技術革新によってその適応が定着,拡大されることが期待される.
虚血性心疾患に対するバイパスグラフトと手術術式の選択ガイドライン
(2011年改訂版)
Guidelines for the Clinical Application of Bypass Grafts and the Surgical Techniques( JCS 2011)