2 我が国におけるCABGの医療経済的解析:DPC全国データから
【対象と方法】
平成15年度「急性期入院診療における診断群分類活用に関する研究」班による全国調査データを用いた集計・解析を行った.その概要は平成15年7 ~ 10月に実施された日本版診断群分類による特定機能病院75施設(国立循環器病センター除く),支払実施施設および調査協力施設を対象とした調査データに対して本ガイドラ
イン策定を目的とし使用申請を行い提供されたものである.施設ごとに(1)在院日数(実日数,術後日数),(2)出来高換算総請求額とその日割額,(3)包括該当範囲の出来高換算額とその日割額,(4)レセプト区分別請求額(手術,処置,薬剤,検査,画像,注射)などの平均値を集計した.
抽出条件は狭心症の治療入院(DPCコード05005003)10,244件のうちCABG(手術コード02,03)1,491件の中から,様式1 情報より予定入院例のみを抽出し(=非
急性心筋梗塞,待機的手術例),血液透析・浄化療法なし,再入院(21日以内に前入院のあるもの)と重症副傷病(心原性ショック,蘇生心)を除いた715件から弁手術(16件),大動脈瘤手術(11件),PCI(24件)併施例を除く,としてこれに該当する664件(登録CABGの44.5%)を対象とした.以下の3 点に関する比較を行った.
(1)OPCAB(402件)とCCAB(262件)の比較
(2) 高額検査(冠動脈造影,RI検査)の有無による比較
(3) 施設特性の違いによる医療費や在院日数の比較-特定機能病院(550件)とその他(114件)の比較
【結 果】
実在院日数は35.2± 19.9日(中央値29日,変動係数0.56)で,術前11.2± 11.2日(中央値7日),術後23.2± 14.7日(中央値19日)で,術前のバラツキが大きかった.
出来高換算入院請求額は3,494,900± 1,592,000円(中央値3,310,000円,変動係数0.46)であった.
虚血性心疾患に対するバイパスグラフトと手術術式の選択ガイドライン
(2011年改訂版)
Guidelines for the Clinical Application of Bypass Grafts and the Surgical Techniques( JCS 2011)