16 急性冠症候群(Acute Coronary Syndromes)
■ 不安定狭心症あるいはST上昇を伴わない心筋梗塞において,安定狭心症と同じ手術適応で冠動脈バイパス術を行う 【ClassⅠ,evidence level B】.
■ 血行動態的に安定しているST上昇型心筋梗塞において,安定狭心症と同じ手術適応で冠動脈バイパス術を行う 【ClassⅠ,evidence level B】.
■ 血行動態的な不安定なST上昇型心筋梗塞において,虚血を伴うPCI 不成功例および機械的合併症(心室中隔穿孔・自由壁破裂・僧帽弁乳頭筋断烈)を伴う症例
    に対して, 冠動脈バイパス術を行う 【ClassⅠ,evidence level B】.

 急性冠症候群は一般的に,不安定狭心症(UAP)から急性心筋梗塞(AMI)までを含む,幅広い臨床像を示す言葉として使われている.したがって,一括りに急性
冠症候群と言っても,その様々な臨床像に応じた治療戦略が必要となる.また,短時間の内にその臨床像が急激に変化し得るだけでなく,循環動態が不安定な場合
も多いため,急性冠症候群の治療に際しては,循環器内科医と心臓血管外科医の緊密な連携が必要であろう.
1 CABGの適応 2 手術のタイミング 3 グラフトの選択 4 心筋保護・人工心肺の使用
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虚血性心疾患に対するバイパスグラフトと手術術式の選択ガイドライン
(2011年改訂版)

Guidelines for the Clinical Application of Bypass Grafts and the Surgical Techniques( JCS 2011)